みなさんが暮らす浜松市の面積の約70％が森林ということをご存じでしょうか？そのほとんど人が手を加えた人工林で、「日本3大人工美林」のひとつとして「天竜美林」とも呼ばれています。その歴史は500年以上前にはじまり、明治時代に浜松の偉人・金原明善が行った、天竜川の洪水を防ぐための植林、治山治水事業により大きく発展しました。

天竜川の水が浜名湖に流れる路をつくり、田畑に供給するきっかけをつくったのも金原明善です。天竜や浜北はもちろん、天竜川水系に暮らす人たちは少なからず、その恩恵を受けて暮らしてきました。浜松の林業は、ただ単に木を育て売るのではなく、やまを守ることで、天竜川水域に暮らす人たちを災害から守り、豊かな生活を守ってきたのです。

天竜材について

やまは川に、川は海につながっています。やまの緑は二酸化炭素を吸収します。やまがきれいに保たれると、水がきれいに、空気がきれいになりますから、おいしい魚や農作物も、やまの恵みと言えます。自然はつながっているのです。

2015年に、持続可能な社会を目指す目標「SDGs（持続可能な開発目標）」が国連サミットで採択されました。持続可能な社会とは、「地球環境や自然環境が適切に保全され、将来の世代が必要とするものを損なうことなく、現在の世代の要求を満たすような開発が行われている社会」。これは、まさに浜松の林業が長い年月をかけて育ててきた世界です。

最近は、こうした取組に共感する人たちも増えてきました。未来の子どもたちが幸せであってほしいと願うからでしょう。自分の行動が持続可能な社会に少しでも貢献できることに、ちょっとした幸せを感じるからかもしれません。
少しでもやまの大切さを知ってもらいたい、そんな想いから三立木材は「天竜材森林体験ツアー」をはじめました。「浜松の美味しいごはんのルーツを見てみたい」そんな気軽な気持ちでも大丈夫です。天竜材のやまを見にきてみてください。

天竜材森林体験ツアー

天竜のやまには、50年～100年以上の歳月を手間ひまかけて育てた立派な木がたくさんあります。その木が使われないと、どうなるでしょう？新しい苗木を植えることができません。木が売れないと、林業を支えてきた人の生活を守ることができません。守る人がいなくなれば、やまは死んでしまいます。やまが死んだら、浜松を守ることができません。

わたしたち三立木材は、天竜材の製材屋としてはじまり、もうすぐ100年。今は注文住宅やリフォームを行う工務店業が中心です。天竜材を使わなくても家を建てることはできますが、わたしたちには天竜材の魅力を伝え、使う責任があると思っています。2010年に「天竜林材振興協議会」が取得した「FSC®認証」（責任ある管理をされた森林と、限りある森林資源を将来にわたって使い続けられるよう適切に調達された林産物に対する国際認証制度）もそのひとつです。

FSC®認証について

だから、「天竜材を使った家を建てよう。みんなのまちを、みんなで守ろう」。
三立木材は、やまの「家守」として、これからもずっと言い続けます。地元出身のスポーツ選手はつい応援したくなる。高校野球は地元の高校を応援する。今日はご当地ポテトチップスにしよう。そんな感覚でもいいのです。

家は決して安い買い物ではありません。地元のやま、風土で育った素性の確かな木はとても長持ちします。また、同じ環境で育った木はその特長を発揮し住む人に気持ちの良い空間を作り出してくれます。それはきっと長く住めば住むほど実感できるはずです。

可能であれば、天竜材を使用する地元の工務店で家を建てて欲しいと願っています。それが天竜のやまを守り、浜松を守り、延いてはまちやひとを守ることにつながるからです。

家を建てようと思った時、天竜材を熱く語る会社があったなと思い出したら、声をかけてください。気に入っていただけたら、親から子、孫の代まで住み継がれる家をつくり、ずっと守り続けます。